サピックス中学入試分析会のまとめ(2023)
この記事では、サピックスの中学入試分析会のまとめ(2023)について紹介します。
中学入試分析会は動画も配信されていますが、なかなか見る時間が取れないですよね。
今回は会場でお話を聞いていたので、簡単にまとめたいと思います。
時間がない方はこの記事を読むとポイントがわかりますよ。
2023年の中学入試の総括
全体について
1都3県の小学六年生の人数は当面維持。東京は増えている。
2/1の受験生の数も増えている。厳しい戦いが続く見込み。
コロナで追試を導入した学校や、面接をやめた学校があったが、元に戻りつつある。
Web出願/合格発表が一般化した。
受験生の動向について
1月は栄東・市川・渋幕等、1月入試を受けている。
コロナの影響はほぼない。(コロナ禍では1月入試見送りの動きがあった)
附属校の人気は、2023年ではひと段落している。
慶應中等部は人数を減らしたが(男子20名/14%)、難易度は高止まり。
進学校は再評価されている。
男子は強気の傾向。女子は桜蔭の志望者は増えたが、全体的には安全志向。
この傾向は学校別サピックスオープンで明らかであった。
午後入試の活用が進んでいる。早めに合格確保の動き。AMはチャレンジ校、PMで合格を取る。
新しい動きのある学校は人気
- ハードが変わる 新校舎・制服が変わるところは人気が出る。開成・桜蔭・海城・早稲田。
- 日程が変わる 東京都市大が2/1午前へ。昨年より志願者数は減ったが、サピックス生の優秀層が受験している。入試としては成功。
- 新設校 流通大柏
- よそおいを新たにする学校 大学と連携する学校:日本学園(明治大)、三輪田(法政)の人気アップ 共学・国際化:目白、芝国際
学校選びについて
- 新しい動きが目立つと飛びつきがちになる。伝統は変えない良さもある。両方を見て選ぶように。
- 受験パターンを組むときに欲張りすぎずメリハリを。
- チャレンジ校、安全校を組み込む。
チャレンジだらけだと気が休まらない。
入試に強い生徒になるには
1)こつこつ努力できる子
近年重要性が増している。問題が難しくなってきている。小学生の限界まで来ている。
ここまでできないと、というところに達するのが大変。
逆にできれば大きなアドバンテージとなる。
2)問題解決能力が高い子
サピックスは授業で対話している。自分で何とかするのを引き出す。
興味・関心を大事にするのが、家庭においても大切。
勉強以外の興味関心にもある程度寛容になるように。
家庭での接し方
スポーツに例えると、子供は選手、親はマネジャー。
名マネジャー・伴走者を目指す。
親はコーチでなくてよい。
大事なことは、保護者の共感力を高めること。
何を求めているか理解・共感することで、この学習を進めるうえで安心材料となる。
その結果、パフォーマンスもアップする。
算数
全体
全体としてはハードルが上がった。
カバーする範囲が広がっている。
アレンジされている。長文化、ひねりが入っていたり、会話調だったり。
数値設定が難しいものもある。答えが小数や分数となったり。
注目問題
渋幕の剰余を題材とした問題
早稲田・慶應普通部の二等辺三角形のパズル的問題
慶應中等部の速さと比の扱いの問題。
良門を突き詰めた結果、過年度に別の学校で出題された問題と同じような問題が出題されている。
対策
定型問題への対応力をあげる。
学習を楽しむ。
1問でも2問でもじっくり腰を据えて解く問題を、メリハリをつけてやる。
国語
全体
文学的文章:困難に立ち向かうものが多い。
説明的文章:世相を反映。コロナが多い。人とのつながり、利他と利己
注目の問題
筑駒の問題
開成の問題:女子高生の話。机の上の勉強だけではだめよというメッセージ?
この話はすごくおもしろかったです。小6男子に女子高生の心情を読み取らせるのか。。。
対策
- 冷静さと根性をもつ
- 様々な視点を持つ
- 言葉の一つ一つの表現に敏感になるようにする→文章を正確に読む、という練習をこつこつやる。
世の中の出来事、身の回りのことについて意見を言い合うのが大事。
理科
全体
カタカナ指定の語記が増えた。
ニュースの内容(外来種・線状降水帯・宇宙など)が多い。
→6年冬で理科の時事問題対策をする。
身の回りからの出題(おせち:桜蔭)
~から●●年、というものが出る。2023年は富士山世界遺産10年(早稲田)など。
出題傾向としては4分野から均等。難問・奇問はあまりない。幅が広がってきた。
変化球の問題、たとけば洪水の利点とは?など。どの分野?どの単元?を整理し、基本的な考え方を類推して考える。
対策
多様性に対応できる柔軟さが必要。
サピックスの授業で身に着けていく。
長文を読む力、記述・作図という書く力、計算する力は日常で身に着ける。
基礎(知識)だけではだめ。基礎ができていなくてもだめ。
社会
全体
地理35%、歴史40%、公民24%、その他環境・常識問題など。
地理は都道府県の特色を理解したうえで、表やグラフを読み解く。
極端に大きい・小さいに注目して気づきを出る。なぜデータにそのような特徴が表れるか考える。
開成など、見慣れない問題は文章にヒントがあるので読み解くようにする。
うまく誘導してくれるような問題。
ニュースで取り上げられたらすべて出ると思っておく。
対策
身の回りのものはすべて出題範囲と考える。
机の前でできない学習も大切。
テレビも重要。
ブラタモリが良いそうです。
中学入試分析会感想
2時間みっちりでした。きっと配信される動画ではこんなに集中して聞けなかったと思います。
行って良かった!
サピックスの先生の話が面白くて、私もサピックス生になりたいなと思いました。
人は多かったですね。皆さん関心がおありのようで。
男性の参加者もとても多かったです。
沿道では個別指導塾などが親御さんにチラシを配っていました。さながら高校・大学受験会場のようですね。
自転車で行ったので何ももらえず残念でした。